2009年7月8日水曜日

第41回国際化学オリンピックの最終代表選考会 H15卒 岡本 昭子

 第41回国際化学オリンピックの最終代表選考会が3月26日(木)~28日(土)に,工学部有機材料化学科学生実験室等を会場に開催されました。「国際化学オリンピック」は1968年に始まった高校生の「国際学力コンクール」で,今年は7月に世界70カ国からおよそ800人が集まってイギリス・ケンブリッジで開催されます。

 日本代表生徒の選考やトレーニングを日本化学会化学教育協議会の化学オリンピックWG(主査:本学有機材料化学科米澤宣行教授)が行っています。昨年夏からの数段階の選抜を勝ち上がってきた日本のトップクラスの9名の日本代表最終候補高校生が今回の最終選抜試験に臨み,八時間に亘る筆記試験と実験試験(朝8時から始まりました)のハイレベルで僅差の競い合いを経て,代表4名が選出され米澤教授から発表されました。本選抜試験では有機材料化学科の前山勝也講師が実験授業・実験試験実施責任者,岡本昭子助教が実験室担当者を務め,合宿最終日の代表者発表会では前山講師からの実験試験講評も行われました。

 大学卒業者レベルの問題を解いたり,難しい実験試験を手際よくこなしたり,懇親会で化学の根源的な議論を長時間行ったり,スーパー高校生の力を発揮した生徒たちでしたが,結果発表の直後旅行鞄を引いて小金井キャンパスを後にした姿はやはり悲しげな普通の高校生で,寂しいものを感じました。

 代表に選ばれた生徒には様々なトレーニングプログラムが用意されており,6月, 本学を会場に化学オリンピック代表OBとの合宿も行われました。

また,米澤教授は第39回モスクワ大会に続いて,第41回イギリス大会にも,メンター(大会役員)の依頼を受けています。


【国際化学オリンピック(IChO=International Chemistry Olympiad)とは】

(ハンガリー、旧チェコスロバキア、ポーランド)が始めた高校生の化学の学力試験から発展した、1年に1度開催される「化学」の国際大会。近年では約70カ国、280名の高校生が出場。日本は2003年のアテネ大会より参加しています。

大会は、毎年7月に10日間開かれ、それぞれ5時間に及ぶ実験問題(Experimental Examination)と筆記問題(Theoretical Examination)が出題され個人戦として競われます。成績優秀者には金メダル(参加者の1割)、銀メダル(同2割)、銅メダル(同3割)がそれぞれ贈られます。化学の実力を競い合うほか、様々なレクリエーションを通して生徒同士の国際交流を深めていきます。


【日本代表のこれまでの成績】

              金 銀 銅

2003年 ギリシャ・アテネ大会 0 0 2

2004年 ドイツ・キール大会 1 0 3

2005年 台湾・台北大会 0 1 3

2006年 韓国・慶山大会 1 3 0

2007年 ロシア・モスクワ大会 0 0 4

2008年 ハンガリー・ブダペスト大会 0 0 4


国際化学オリンピック:http://icho.csj.jp/

国際化学オリンピック問題解説新刊本:http://www.nippyo.co.jp/book/5004.html


選考会の写真は後ほどアップします。

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